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ワンポイントセミナー「開示業務について 第3回」

前回は、情報を利用する立場、すなわち投資者の求める情報を、質の面から検討しました。
証券投資において、投資者が求める情報が適切に開示されていれば、投資から生じる結果について、投資者に自己責任を求めることができる と考えられています(このことを自己責任原則と言います)。
そして、上場会社には、有価証券の発行、流通の円滑化と公正な価格形成を維持するために、有価証券報告書等の定期的な情報開示が義務付けられています。
今回は、企業活動と上場企業の開示情報の中心である有価証券報告書の関係を見てみましょう。

まず、企業は外部から様々な経営資源を調達し、それらを投入して製品・商品やサービス等を外部に販売することによって利益を獲得することを目的としています。
この外部から調達する経営資源には、原材料などの「資材」や、土地、建物、機械などの「設備」、それらを購入するために必要な「資金」、そして働き手である「人材」があります。
また、企業は「組織」を構成して活動しており、そのトップに立って経営上の意思決定を行うのが「経営者」です。
さらに、ほとんどの大企業 は、関係会社を含めた「グループ単位」で多様な事業展開を行っています。
このような企業活動の具体的な経過と成果、そして将来の計画等の情報を開示したものが有価証券報告書です。有価証券報告書は、「第一部 企業情報」と「第二部 提出会社の保証会社等の情報」の2部から構成されています。
その中心である「第一部 企業情報」には、「第1 企業の概況」、「第2 事業の状況」 、「第3 設備の状況」 、「第4 提出会社の状況 」、「第5 経理の状況」 、「第6 提出会社の株式事務の概要」、「第7 提出会社の参考情報」が 記載されています。
なお、企業の財政状態や経営成績を明らかにする連結財務諸表(財務諸表)は、「第5 経理の状況」に開示されます。